- コロナとこころと帝王切開
- 心配なこと。
- はじめて見たこころ
コロナとこころと帝王切開
入院中の面会はできない。手術の立ちあいもできない。
まずママの身体が心配だ。お腹を切るなんて相当痛いし、手術後もすぐには回復しない。
手術だって絶対に安全なわけでもない。この状況でママにもしものことがあったらどうすればいいのか。
色々な不安が頭をよぎる。
そして何よりも‥‥
こころをちゃんとかわいいって思えるのかな?
心配なこと
障害を持って産まれてくる子供はたくさんいる。まさか自分の子がそうなるなんて夢にも思わなかった。
テレビでドキュメンタリーを見るのとは違う。その命を責任を持って守っていかなくてはならない。
でも
もし
かわいいって思えなかったらどうしよう。
おかしなことばかり考えてしまう。今はママが無事であること、こころが元気に産まれてくれること。
それだけを考えよう。
先生、何とかお願いします。
神様、今回だけはお願いします。
はじめて見たこころ
ママが手術室に向かう。
待合室でただひたすら待つ。
ただ、待つ。
見た目が悪くたって命があればいいじゃないか。パパだって見た目が悪くてもこんなにかわいいママと結婚できたんだ。
一人目が産まれて間もない時にママに言われた。「パパって赤ちゃんかわいいって思ってる?」
いや、ちがうんだ。どんな顔していいかわからないんだよ。めちゃくちゃかわいいし、ずっと抱っこしてたいくらい。
二人目も同じくらいかわいいし、大好きだよ。でも思いっきり笑ったり、悲しい顔したりするのが苦手なんだ。
手術を終え、先生たちがこころを連れて戻ってくるのが見えた。
保育器を押して戻ってくる。
「元気に産まれました。お母さんも無事に手術を終えましたよ」
小さくても一生懸命泣いているこころ。
ママ頑張ってくれてありがとうね。
先生もありがとうございました。
そして、こころ
一番がんばったね。生まれてきてくれてありがとう。
とてもとてもかわいい赤ちゃんでした。